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SaaS(サース)とはどのような仕組みか?身近な活用事例とPaaS・IaaSとの違い、開発に必要な技術を解説

「SaaS(サース)」という言葉を聞いたことはありますか?

もしあなたが、スマートフォンでSNSを使ったり、学校の課題でGoogleドキュメントを使ったりしているなら、あなたはすでにSaaSのユーザーです。

IT業界を目指すなら必ず知っておきたいこの言葉。

この記事では、SaaSの仕組みから、よく似た用語である「PaaS」「IaaS」との違い、そしてSaaS業界で活躍するために必要なスキルまでをわかりやすく解説します。

 

SaaSの基本|意味と仕組み

SaaSとは?クラウドサービスの一種

SaaS(サース)とは、「Software as a Service」の略称で、「サービスとして提供されるソフトウェア」を指します。

従来、ソフトウェアといえばCD-ROMなどを購入して自分のパソコンにインストールして使うものでした。しかしSaaSは、インターネットを通じて、必要な機能を必要な分だけ利用できるのが特徴です。

総務省の資料では、米国国立標準技術研究所(NIST)の定義を参照し、以下のように説明されています。

SaaS(Software as a Service)
利用者がネットワーク経由でアプリケーションソフトウェアの機能を利用する形態
引用:総務省|平成26年版 情報通信白書

つまり、「自分のパソコンにソフトを入れなくても、ネットさえあればどこでも使える便利なサービス」がSaaSの正体です。

 

SaaSのメリットと導入の利点

SaaSがこれほど世界中で普及したのには、利用者側と提供者(企業)側の双方に大きなメリットがあるからです。

  • いつでもどこでも使える(マルチデバイス対応)
    • スマホ、タブレット、PCなど、端末が変わっても同じデータにアクセスできます。
  • 常に最新の機能が使える
    • 面倒なアップデート作業は不要。運営会社が自動で更新してくれるため、いつでも最新版を利用できます。
  • 導入コストが低い
    • 高額なソフトを買う必要がなく、月額数百円〜数千円の「サブスクリプション(定額制)」で手軽に始められます。

 

PaaS・IaaSとの違いとは?図解で理解するサービスモデルの違い

クラウドサービスには、SaaS以外にも「PaaS(パース)」や「IaaS(イアース)」という種類があります。

これらは、「どこまでをサービス提供者が用意してくれて、どこから自分たちで作るか」という範囲の違いです。

よく「ピザ」に例えられるので、イメージしてみましょう。

用語 正式名称 例えるなら… 解説
SaaS Software as a Service デリバリーピザ 注文すれば、完成したピザが届く。調理も片付けも不要で、すぐに食べられる(完成したアプリを使うだけ)。
PaaS Platform as a Service ピザ作り体験教室 キッチンやオーブン、生地などの材料は用意されている。トッピングや味付けは自分で決めて焼く(アプリ開発の土台はあり、中身を作る)。
IaaS Infrastructure as a Service キッチンレンタル 場所とガス・水道・オーブンだけ借りる。食材の調達から調理まで全て自分で行う(サーバーなどのインフラだけ借りて、システムを一から構築する)。
  • SaaS: すべてお任せ。完成品を利用する。(例:Gmail, Instagram)
  • PaaS: エンジニアがアプリを開発するための「土台」を借りる。(例:Google App Engine, Heroku)
  • IaaS: サーバーやネットワークなどの「インフラ」を借りる。(例:AWS EC2, Google Compute Engine)

 

SaaSの代表的なサービスとその活用事例

SaaSには、業界を問わず広く使われるもの(Horizontal SaaS)と、特定の業界に特化したもの(Vertical SaaS)の2種類があります。

 

業務効率化ツール(例:Google Workspace、Slackなど)

これらは「Horizontal SaaS(ホリゾンタル・サース)」と呼ばれ、どんな企業でも使われる汎用的なツールです。

  • Google Workspace: Gmail、Googleドキュメント、Googleカレンダーなどがセットになったサービス。
  • Slack / Zoom: チャットやビデオ会議でコミュニケーションを取るツール。
  • SmartHR: アルバイトの給与明細や年末調整などをスマホで管理できる人事労務ソフト。

皆さんが将来就職した際、これらのツールを使いこなせると「ITリテラシーが高い」と評価されることもあります。

 

マーケティング系SaaS、業界特化型SaaSなど

特定の業界に特化した「Vertical SaaS(バーティカル・サース)」も急成長しています。

  • Airレジ(エアレジ): 飲食店のiPadなどで使われているPOSレジアプリ。
  • クラウドサイン: 契約書を紙ではなくネット上で締結する電子契約サービス。
  • 医療・介護・建設向けSaaS: 電子カルテや工事現場の管理アプリなど、専門的な業務を効率化するもの。

「こんな業界のこんな不便を解消したい」というアイデアが、新しいSaaSを生み出すきっかけになります。

 

SaaSの課題とリスク

非常に便利なSaaSですが、利用する際には注意すべき点もあります。

セキュリティリスクと情報管理の注意点

SaaSはインターネットを経由するため、常に情報漏洩のリスクと隣り合わせです。

例えば、ログインIDとパスワードが流出してしまうと、第三者に大切なデータを盗み見られてしまう可能性があります。

  • 推測されにくいパスワードを設定する
  • 二段階認証を利用する
  • カフェのフリーWi-Fiなど、安全性の低い回線で機密情報を扱わない

こういった個人のリテラシーに加え、SaaSを提供する企業側にも高度なセキュリティ対策が求められます。

 

カスタマイズ性や依存リスクなどの課題

  • カスタマイズの限界: 提供されている機能の範囲内でしか使えないため、「自社独自の特別なルール」には対応しにくい場合があります。
  • サービス終了のリスク: 運営会社がサービスを停止すれば、そのツールは使えなくなります。
  • 通信障害の影響: ネットが繋がらない場所や、サーバー障害が起きている間は、仕事がストップしてしまう可能性があります。

 

SaaS開発に必要なスキルと将来性

では、SaaSを作る側(エンジニア)になるには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。

 

フロント・バックエンドの基礎技術(HTML, JavaScript, APIなど)

SaaS開発は、Webサイトを作る技術の延長線上にあります。

  1. フロントエンド(画面を作る技術):
    • HTML / CSS: Webページの骨組みとデザインを作ります。
    • JavaScript / TypeScript: 画面を動的に操作するためのプログラミング言語です。「React」や「Vue.js」といったフレームワークがよく使われます。
  2. バックエンド(裏側の処理を作る技術):
    • Go, Python, Ruby, PHPなど: データの保存や計算処理を行います。
    • API(エーピーアイ)設計: フロントエンドとバックエンドがデータをやり取りするための「窓口」を作る技術です。
  3. データベースとクラウド:
    • 膨大な顧客データを安全に保管する知識や、AWSなどのクラウドサーバーを扱うスキルも求められます。

 

SaaS業界の成長とエンジニアとしてのキャリア展望

SaaS市場は、日本国内でも右肩上がりで成長を続けています。

総務省の「令和6年版 情報通信白書」によると、企業のクラウドサービス利用率は8割を超えており、今後もこの傾向は続くと予測されています。

クラウドサービスの利用状況
クラウドサービスを利用している企業の割合は84.8%であり、前年の72.2%から12.6ポイント上昇している。
引用:総務省|令和6年版 情報通信白書|企業におけるクラウドサービスの利用動向

企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める上でSaaSは不可欠な存在です。そのため、SaaSを開発できるエンジニアの需要は非常に高く、将来的にも安定したキャリアが見込めます。

また、開発だけでなく、顧客にツールの使い方を提案して成功に導く「カスタマーサクセス」という職種も注目されています。

 

まとめ

最後に、今回の記事のポイントをまとめます。

  • SaaSは「インストール不要でネット経由で使えるソフト」のこと。
  • PaaSやIaaSとは、サービス提供者が管理する範囲が異なる。
  • 市場は拡大しており、開発できるエンジニアの需要は今後も高い。

これからのSaaSは、AI(人工知能)との融合がカギになります。

「文章を自動で作成してくれるSaaS」や「売上をAIが予測してくれるSaaS」など、より高度な機能を持ったサービスが次々と生まれています。

もしあなたが「便利なアプリを作ってみたい」「世の中を効率化したい」と思うなら、SaaS開発の技術を学ぶことは、間違いなく将来の大きな武器になるはずです。

まずは、身の回りのSaaSがどのような仕組みで動いているのか、興味を持つことから始めてみてください。

 

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